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出演者

松永瑠衣子(まつなが・るいこ)

生まれも育ちも長崎。被爆者の祖母をもつ被爆3世の23歳。 高校生のとき、「高校生核廃絶1万人署名活動」に出会い、被爆者の証言を後世に残すためのビデオ製作活動に携わる。大学在学中に東日本大震災が起こり、福島の子どもを夏休みに長崎に呼ぶプロジェクトに携わる。
それから毎年福島の子どもたちの保養に携わり、今年で5回目となった。現在は長崎市内で小学校の講師を勤めている。

瑠衣子からのメッセージ

「原子力の平和利用」。私は小学校の時にわずかな資源で莫大なエネルギーを生み出せる素晴らしい発電方法なのだと習った。そう信じてやまなかった。忘れもしない2011年の3月11日、あの事故が起こるまでは。あれから4年。わたしは、福島と青森に向かった。浪江町の町並みを見渡して、胸が張り裂けそうな思いだった。ひとっ子一人歩いてない商店街。建物は崩れたまま。海辺は車がぺしゃんこにひっくり返っていた。あの災害が、あの事故が起こるまで、この町には当たり前に人が暮らしていた。4年前からこの町の時計は止まったまま。青森では六ヶ所村と大間へ。再処理工場と原発を巡り、40年間闘い続けている人との出会い。命を蝕む放射能。そこで命を育もうとする人。怒りや憎しみではなく、愛をもって闘っていた。わたしがそこで学んだものは絶望ではなく、溢れる優しさと希望だった。

登場人物

松永スエ子(まつなが・すえこ)-長崎被爆者

瑠衣子の祖母。11歳で被爆。結婚後に初めて被爆手帳を申請。50代で甲状腺がんを発病。声帯を3本切除。被爆体験については今もあまり語りたがらない。


城臺美彌子(じょうだい・みやこ)-長崎被爆者

6歳で被爆。元小学校教師。語り部として被爆の実相を若い世代に伝え続ける。平成26年の原爆式典では安倍政権の原発再稼働の方針を被爆者の立場から厳しく批判。瑠衣子のよき相談相手。
「被爆者の苦しみを忘れ、無かったことにしないで下さい。福島ではいまだ苦しんでいる人たちが大勢います。このような状況下で原発を再稼働してよいのでしょうか?」

紺野則夫(こんの・のりお)-福島県浪江町健康保健課長

原発事故後、避難生活を続ける浪江町民の不安を和らげようと、独自に放射能健康管理手帳を導入。
瑠衣子を仮設住宅のお年寄りたちの元へ案内する。

布施幸彦(ふせ・ゆきひこ)-ふくしま共同診療所院長

原発事故後、子供を対象に甲状腺エコー検査を続ける。国や県は放射能との関連性を否定するが、福島で小児甲状腺がんが増加していると警鐘を鳴らす。

種市信雄(たねいち・のぶお)-核燃から漁場を守る会

六ヶ所村泊地区の漁師。再処理工場の建設反対運動を30年以上続ける。

小笠原厚子(おがさわら・あつこ)-あさこはうす代表

小笠原厚子(おがさわら・あつこ)

母あさ子は大間原発の用地買収を拒否し自分の土地にログハウス「あさこはうす」を建設、反対運動を続けた。2007年に亡くなった母の遺志を継ぎ持続可能な暮らしを実践。全国から人々が訪れる。

伊原義徳(いはら・よしのり)-元科学技術事務次官

伊原義徳(いはら・よしのり)

第一期原子力留学生として1954年に渡米。日本初の原子力予算に携わり、“日本の原子力の父”と呼ばれる。核燃料サイクル計画の推進にも務めた。原子力の将来について瑠衣子と対話。
「日本はエネルギー確保のために太平洋戦争に突入してしまった。今でもその重要性は変わらない。私自身は長く原子力に携わってきたので、注意して使えば有用なエネルギー源だと思っています。」


菅直人(かん・なおと)-第94代内閣総理大臣

原発ゼロを目指す活動を続ける。「一部の政治家にとって、再処理能力を保持しプルトニウムを保有することが核兵器を作る能力があることを意味し、核抑止力になるという考え方がある」と指摘。

鈴木達治郎(すずき・たつじろう)-長崎大学核兵器廃絶研究センター長

2010~14年に原子力委員会委員長代理。核燃料サイクル計画が破綻する中で、日本が原爆6千発分に相当する47トンものプルトニウムを保有していることに警鐘を鳴らす。

遠藤哲也(えんどう・てつや)-元外務省科学審議官

80年代に日米原子力協定改定交渉を担当。米国に毎回合意を得なくても再処理を行える権利を認めさせた。「原子力は平和のための要素もあるが、コインの両面のようなもので、爆弾になり、兵器そのものだ。」

ピーター・カズニック-アメリカン大学核問題研究所所長

映画監督オリバー・ストーンと共同で「もうひとつのアメリカ史」を執筆。広島・長崎への原爆投下、アイゼンハワー大統領が提唱した“原子力の平和利用”まで、米国の核政策を批判し続けている。

リチャード・L・アーミテージ-元米国務副長官

リチャード・L・アーミテージ-元米国務副長官

共和党知日派の重鎮として日本の政治に強い影響力を持ち、ジャパンハンドラーとも呼ばれる。民主党の脱原発政策を批判し、再稼働を提言。安倍政権の安全保障政策を全面的に支持する。
「原発再稼働なしに経済大国日本の復活はあり得ない。」「米国と協力して原発を買いたい国に技術を提供してほしい。」


フランク・フォン・ヒッペル-核分裂性物質に関する国際パネル(IPFM)議長

核兵器の材料となるプルトニウムなどの削減を目指すIPFMで核不拡散を主導。日本の47トンのプルトニウムが東アジアの安全保障の脅威となるとして、六ヶ所再処理工場の中止を日本政府に要請。

監督

新田義貴(にった・よしたか)

新田義貴(にった・よしたか)

ユーラシアビジョン代表。ディレクター、ジャーナリスト。1969年、東京都出身。慶應義塾大学卒。92年NHK入局。アジアや中東、アフリカなど第三世界が抱える問題に焦点を当てたドキュメンタリー番組制作を行う。09年独立し映像制作ユーラシアビジョンを設立。12年に沖縄の古い市場の再生を描いた第1回監督作品「歌えマチグヮー」が劇場公開。媒体を超えてドキュメンタリー作品の制作を続けている。鎌倉幕府を滅ぼした武将・新田義貞の末裔。


新田監督からのメッセージ

史上最悪規模となった福島原発事故。こんな事故を起こしても、なぜ日本は原発にこだわり続けるのだろうか?この映画は全てこのシンプルな疑問から始まりました。そこには経済原理だけではない、知られざる理由が隠されているのではないだろうか?そして、“プルトニウム”に関する様々な問題に行き着きました。これまで原子力の問題に関心のなかった若者たちにもぜひ観てほしいと考えていました。そんなときに長崎在住の被爆3世・瑠衣子さんに出会いました。たまたま沖縄戦最後の激戦地・摩文仁の丘で取材をしているときに知り合った鳥取出身の若者が、友人の瑠衣子さんを紹介してくれたのです。ずっと沖縄をテーマにしてきた僕にとってこの出会いは運命的でした。
この映画は、瑠衣子という被爆3世の普通の若者の目を通した“プルトニウム”をめぐる旅です。
瑠衣子の素直な心のフィルターを通して、原子力の真実の姿を感じ取っていただければ幸いです。

エグゼクティブプロデューサー/小西晴子 鈴木欣也 プロデューサー/塩原史子 撮影/高橋慎二 音楽/上畑正和 編集/荒川新太郎 監督/新田義貴 制作/ソネットエンタテインメント AMATELAS 配給/アークエンタテインメント 配給協力/クロスメディア 日本/2015年/HD/94分/ドキュメンタリー

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